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色々なルームチューニング材に関心を持つ
色々なルームチューニング材に関心を持つ
個人のお客様宅にミラクルサウンド・スクリーンを持ち込んで、実際にお聴き頂くのは今回が初めてです。今日は、岐阜県のY.Uさん宅です。1年近く前にインシュレーターのBIGと、高級ケーブルをお買い求め頂いたのがお付き合いのきっかけです。
当時の話としては、アルテックのスピーカーとB&W803とお聞きしておりましたが、お伺いしていざ部屋に通されるとそれらの物は一向に見当たりません。思い切ってすべてを売り払って一新したので、残っている物といえばラックスのアンプぐらいだそうです。
トランスポートはP-0s、コンバーターはこれまた、高級機のエルガー、スピーカーはディナウディオ、一番目だったのはそれらのコンポよりも7〜8枚はあろうかという音響拡散パネルでした。正直言ってこれだけの枚数のルームチューニング材を見るのは初めてです。
特に今日の目的は私が精魂込めて開発した音響拡散パネルのミラクルサウンド・スクリーンを体験していただく事ですから、いきなり度肝を抜かれた格好となった訳です。随所に色々とご苦労された跡が見受けられます。まだこの外も、エコーバスターも両側面に置いてあります。
先ずは現状の音をお聞かせ頂く事から始まります。率直に申し上げて、トールボーイタイプの特徴である鈍重な低音が先ず耳に入ってきます。その次には、バイオリンの音が少しですがヒステリック気味に鳴っており、ウーハーの音とツイーターの音が上手くつながっていないようです。
私にとって見れば、部屋に於けるスピーカーの前後の位置関係で解決するのが手に取るように見えるのですが、ご本人にはアンプが力不足と目に映っているようです。このところの私は、その一点に絞って耳を鍛えてきましたので、最近では勘がよく当たるようになってきました。
今日のは2センチ前後狂っているだけだろうというのが私の予想です。0.15kaiser(157.5ミリ)毎に音の良いポイントがあるという、”カイザーウエーブ”の説明をさせて頂くのですが、Y.Uさんには何の事やらチンプンカンプンのようです。
それはそうでしょう、初めて聞かされる話ばかりですから面食らうのも当然でしょう。しかし、そんな講釈はどうでもよく、実際に今のスピーカーの鳴り方が低・中・高とバランスのとれた良い音に、わずか数センチスピーカーをずらすだけで、本当になるのだろうか?、というのが本音ではないでしょうか。
その前に、私にはどうしても気になるところがあります。それは、スピーカーベースの真ん中にスピーカーが載っていない事です。これが、実は高音の音を濁している張本人なのです。そう言いつつ、スピーカーをそのベースの真ん中に持ってくると見事に濁りが取れました。振動とは正直なものです。
次なる処置が、今回のメインテーマであります「空間の時間軸」という問題です。今現在スピーカーが置かれている任意の位置の0.075kaiser(8センチ弱)前と後ろのポイントが、180度ずれた正反対の音になります。
そこで、そのポジションの音をお聞きいただく前に、「低音がゆるく膨らみ過ぎていた音」が、今度はまったく「低音がスカスカの音」になって、どちらもアンバランスだということが正反対の音を体験する事によって始めて認識出来るのです。と、事前に聞くポイントを絞って説明させて頂きます。
すると、皆さん間違いなく、
「へ〜!、こんな事が見えない所で現実に起こっていたのですか?」と驚かれます。
「いかがですか?、すると、どこらあたりが良さそうだと思われますか?」。
もちろん、その両者の間に良いポイントがありそうだということは間違いなくイメージ出来るのです。
そうして、微調整を計っていけば、どなたでも容易にベストのサウンドを見つけ出す事が出来るのです。
本日の真打!、ミラクルサウンド・スクリーンの試聴の番がやって来ました。セオリー通りスピーカーの背後に軸を合わせて置いてみます。スピーカーと近過ぎると音が詰まり気味になります。先ほどと同じように前後に動かして、微調整を繰り返しながら音を確認します。
「スピーカー」と「ミラクルサウンド・スクリーン」と「部屋」の3者の波動の関係が上手く揃えば、立体的で活き活きとした、それは、それは見事な音楽がそこに出現します。もうこの時点でUさんの目の色が違います。
聴かれる音楽のほとんどがクラシックということですから、特にこの美しい残響が織り成す弦楽器群のハーモニーは何とも言えず、部屋の壁が取り払われたかの如く、広く美しい響きのホールで聴いているような錯覚に陥っているのでしょう。
『このまま置いていって欲しい!』と喉まで出ているのだけれど、
この半年で数百万円使ったばかりだから、おいそれと直ぐには行かない・・・』。
と、Uさんは残念そうに溜息を漏らす。
言われなくても、見ただけで私にも分かりますから、
それ以上は何にも申し上げる事はしませんでした。
『2度手間になるけど、必ず買うから、
カイザーさん!その時は、もう一度セットしに来てもらえますか・・・?』。
「もちろんです!、喜んでお伺いいたしますよ」。
「特にこの道は、東京・広島間の往復で月に一度は必ず通りますから」。
結局この日は、昼下がりの3時半ごろにお邪魔してから、翌日の午前2時まで飽きる事無く音楽とオーディオ談義に花が咲きました。その後、数十キロ先の多賀サービスエリアで風呂に入り、すべてのエネルギーを使い果たした私は、そのままロビーで爆睡してしまいました。
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